たいよう
「ねーね、さーちゃん!」
「なにー?」
やっぱり、圭斗はかわいいなぁ。
「たかにぃ、1番とれる?」
──高校になっても紗愛に、
「どーかなー?あ、でもそらなら、1番とってくれるかもよ」
──まだ、約束、覚えてくれてますか?
「じゃあ、たかにぃ、にお願いしてくる!」
「…え?ちょっ…」
既に遅し。圭斗は走り去っていた。予想だにしていなかった展開に、あたしの頭の中はパニックで。心臓の音は煩いし、頭の中はぐちゃぐちゃだ。
圭斗、追っかけなきゃ…っ!と頭のなかでは思うのに、体は言うことをきいてくれなかった。ただ、あたしは呆然と突っ立ってることしかできなかった。
「…っ!」
あぁ、ダメだ。
やっぱり、あたしには、そらの存在が大きすぎるよ。