たいよう
空紘side
「たかにぃー!」
と同時にドン、という音が聞こえてくるほどのタックルを俺は受け止めきれず、わずかによろめく。
「圭、よくきたな」
どうにか踏ん張って、なんとか体勢をたてなおし圭斗の頭を撫でた。
「ね、たかにぃ、一位とって!」
無邪気な笑顔が、まぶしい。
「よっしゃ、圭にメダルかけてやるな」
「ホントに?ホントに?」
「おう、かけてやる」
「じゃあ、ぼく、たかにぃのこと、大きい声で応援してるね!」
「こっちのお兄ちゃんがメダルとっちゃうかもよ〜」
と飄々というのは勿論、舜。
「ぜったい、たかにぃがとるんだもん!約束したんだもん!」
「だってよ、たか。頑張らないとな」
「一位は俺だよ、当たり前だろ?なー圭」
と圭斗の頭を撫でながら、言った。
圭斗も、大きくなったな…。
なんて親父くさい、と苦笑した。