爆暴走
「何してんだっ、行くぞ!!!」


壱の言葉は、アタシの心のトビラを何回も何回もノックしてきたけど。


アタシは出れない。



出たくない。



偽善者のタメに、何でアタシが行かなくちゃいけない。



まるで、狼少年だわ。



――――いつもいつも、人を騙したりするから、



自分の危機には誰も来ない。



大切な人も来ないでしょう――――


あぁ、お父さんはアタシの事、大切とも何とも思っていないから違う。



大切だとしても、



アタシが来ることを


拒むでしょう。




「…なんで」




「は?」





「何で行かなくちゃいけないの。」




だって、そうでしょう?



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