爆暴走
「すみません、霧山修治の部屋は...」


「あ、ハイ。少し待っててください。」


呼吸を整える。



これが、壱とかだったらもっと焦ってたかな?


お父さんだから、こんなに冷静でいれるのかな…。


でも…、ドキドキと鳴り止まないアタシの心臓の音が、やけに悲しく聞こえた。



「…の…」



「あ、すみません」



つい、看護婦さんの事を忘れてしまった。


妙な胸騒ぎがする。



「278です。」


「有難うございます…。」



2,78…。


って、何処よ?



「壱ぃ…、場所、わかんない...」



つくずく自分がいやになる。


馬鹿、って嫌だ…。



壱は、アタシの前を歩いて、アタシの隣は隆吾。



何か…きま、ずい。



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