爆暴走
「お父さんは、大丈夫だから。」


そう、大丈夫だから。




「…そう、よね…っ」


母さん、涙こらえてるの分かるよ。



泣けばいいじゃん。


お父さんが起きるときには、思いっきりの笑顔が向けれるように。



「アタシは…帰るね。」


これ以上ココに居ても仕方がない。



「そう、分かった…」



「何かあったら、絶対言うコト。」



「…、亜希。」



「ん?」




「有難う。」




久しぶりに、家族から聞いたなぁ…この言葉。




有難う、だって。



何でだろう、涙が出そう。



アタシは、精一杯の笑顔を向け、病室を出た。



後、少しでも遅かったら涙が落ちていただろう。


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