爆暴走
あふれ出た涙を自分の服の裾で拭い、壱の待つ所へ走った。


「…壱」


「ん?」


「ありがと。」


…隆吾も。



皆に支えられてここまでこれたんだもん。


壱が「トイレトイレッッ」と行って走って行って、アタシと隆吾の二人。



「ねぇ」


「あ?」


隆吾の返事は、「あ?」しか言えないの。



「『約束』って、どう思う?」



答えて、くれるかな?


隆吾はフッと笑って、



「そうだな…、すんげぇ大切な人とじゃないと交わせない、大切なこと?」


隆吾らしい。



「…そうだねっっ、大切な人…とだよねっ」


よし、頑張るか。


< 113 / 166 >

この作品をシェア

pagetop