爆暴走


愛していなかったら、あんな顔、できる訳ないだろう…?


実を言うと、俺は母が居ない。



親父に育ててもらっている。




母の死亡理由は交通事故。


余所見運転。



その車には…俺も乗っていた。



5歳の俺はこの家庭が、大好きで、大好きで…。



でも、親父が事故ったトキにとっさに庇った母は…。


亡くなった。



親父は泣き崩れた。


周りのヤツにため息をつかれるほど。




でも…、俺は不思議と親父を許せた。



親父のせいったらせいなんだけど。




愛、がこもっていた親父の顔を見ると、怒る気も失せ、出てくるのは涙だけ―――…。




今は…なかなか親父の愛情を真に受けれなくて、反抗する。



素直に受け止めてぇのに…。

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