爆暴走
「弱い、な。」



そうだな、今の俺は。

それにしても、頭が痛すぎる。


意識が遠のきそうだ…。


亜希、亜希、亜希…。


気が付けば俺の頭の中には、亜希しか考えていなかった。


ドッッ!


路地に叩きつけられたバット。


そんな音さえ今の俺には苦痛なぐらいヤバかった。




「隆吾!?」


ああ、もう俺は逝くのか?


こんな奴等のせいで…?


何でだ、亜希の幻が見える。



こんなにも亜希を思っていたなんて…。


自分でも信じられなかった。



ドカッッ!!


その時、俺のみぞおちに一発、けりが入った。



頭がグラグラする。



俺にいつも殴られていた奴はこんな気持ちだったのか…。


ミジメだな。




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