【短】卑怯者
者
───良いか、隼人には
小細工は通用しない。
兎に角分かり易く言うんだ。
「……あのさ、隼人」
次の日の昼休み。
向かい合わせにした机の上で
弁当をつつく隼人にそう切り出した。
「いきなり何だ、食事中に」
「あのね、
ちょっと聞きたいんだけど、良い?」
───まぁ、あの隼人のことだ、
ただの告白じゃそう驚かないよな。
「…構わないが」
つついていた人参を
口に運んでから私をじっと見る。
つい恥ずかしくて目を
逸らしそうになったけど、
そこはグっと我慢。
私も食べようとしていた
ハンバーグから箸を離した。
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