【短】卑怯者
隼人の生真面目さは、
祖父譲りなのかもしれない。
偶然帰り道で会った時、
喋り方とか漂う雰囲気が、
凄く似ていたから。
因みにそのおじいちゃんは、
警察で剣道の指導をしているらしい。
隼人は小さい頃おじいちゃんっ子で、
何でも祖父の真似をしていたと聞いた。
高校生らしからぬ堅苦しい話し方も、
その過程で形成されたものだと
思えば少しは納得がいく。
ところがその真面目さに加えて、
隼人には天然さという武器(?)がある。
それがわかったのは、
私が告白した時。
「付き合ってください」って言ったら、
隼人の奴、なんて言ったと思う?
.