Full Moon ー祈りー


『‥。対戦の時フロストまだ魔法使ってないよね?』

ブライトの言葉にハッとした。
確に私は戦う度、刀が主流。魔法は最後の『封印』だけに使っていた。

なぜそうなのかはわからないが、
過去に父により封印されたコントロールの難しい膨大な魔力が戻るのが怖かったのかもしれない。


『そうか。刀だけ上達してもだ‥もし刀が使えなくなったら戦えない』

ブライトが隣で相槌をうっている。少しの沈黙のあと、ブライトが口を開いた。

『私もフロストも‥今までと逆の事を学ばなくちゃいけないね。』


まったくその通りだ。


もし私が戦闘不能になれば‥
ブライトは戦う術がないのだ。

逆にブライトがやられたら
私は傷の手当てが出来ぬ。



そう思った私は、

草の上からサッと飛び起き、
刀を大地に突き刺した。


『さぁ!使うといい。


修行再開だ!』




小さい声で付け足す。

『ふむ‥
もう1つ買わねばならんな。』





これから

20日間の修行が始まる。

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