Full Moon ー祈りー
━バタンッ

部屋に戻ったフロストは
荷造りを始める。


ソード。それから魔法の書。
服等を積む。


足まで届く髪を結い

この地を出る。


『さて‥いくか。』

外は眩い光が闇と城に
壁をつくっていた。


私が壁をくぐりぬけようとした時
兵士に呼び止められた。

『フロスト‥殿‥?
今出るのは危険です!』

『やるべき事があるのだ。』
『!?』

私は初めて人に魔法を使った。

前に手を突き出す。
するとその手から光が溢れて
目の前がくらむほど
明るくなった。

いつの間にか

戦っていた堕天使下級兵は
倒れていた。


『くそッ‥撤収-ッツ』


他の兵は
倒れた兵を連れて
逃げて行った。

兵士が
力を認めたように頷きながら
言う。

『いえ‥
もぅ大人の類ですからね‥
何も言いません。
‥ではお気をつけて。』

『皆の者。
またいつか会おうぞ。』

また‥いつか。

立ち去ろうとしたその時。

『待ちなさい。』

呼び止められた。



振り向くとそこには
父ともう1人の女の子がいた。


『この子と一緒に行きなさい。
お前の力になるだろう。』
『‥はい。』
『元気でな‥』

父と握手を交し
私達は旅に出た。



暑いの終わりの事だった。


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