Full Moon ｰ祈りｰ

次の瞬間。
私の足に痺が伝わった。

牙がささり
毒が体内に入ったからだ。
さっきは斬られただけだったから
あまり感じなかったが、

毒が奥に入ってしまった様だ。


魔物はﾌﾞﾗｲﾄにも
牙を剥いた。

『ﾌﾞﾗｲﾄｯ』

私はﾌﾞﾗｲﾄの技を知らない。
共に戦いたかったが

重い剣を振り下ろした衝撃が、
そして毒が。
思った以上に
足に負担を掛けていた。


『えｯあ。こ,ｺﾚ！？』

竜巻が現れるが
あっちへ行ったり
こっちへ行ったり。

魔法の使いに慣れていない
ようだ。


『じゃぁｺﾚｯコレかｯ？
ｺﾚでどうだｯ』

ﾌﾞﾗｲﾄはいろいろな技を
繰り出した。


『これかな？』

‐ﾎﾟｩ‥‐

猛烈な光を出して
現れたのは光のアーチ。


魔物はその中で動けなくなった。


‥もしかしたら
私より使えるかもしれんな。


感心して見ていた私に
ﾌﾞﾗｲﾄは言った。

『早く！』

『あ‥OK。』

意識を高め、
魔法陣をだす。

『‥』

すると
十字架が上に浮かび上がり、
羽がﾊﾞｻｯと音をたてて現れる。

【安らかに眠れ。】

そう呟くと
魔物はゆっくりと消えていった。