☆ピュア姫と腹黒王子★2 ~ドキドキな同棲生活~
―ぎゅっと少し、抱きしめて
あたしはこう言った
「王族の人って、きっと寂しい想いをしてきたんだよね?」
あたしも、寂しかったもん。
王族と、お嬢様って境遇がだいぶ違うけど、
親に愛されなかった小さい頃は、どうしようもなく寂しかったから。
「クリス、お友達は?」
「いないヨ。みんなボクを利用しようとするカラ」
“利用”ね。
「じゃぁ、桜がクリスの友達になってあげる!!」
「え?」
「あたしも、寂しかったときあったよ。もちろん、クリスの全部がわかるわけじゃない。」
「……」
「でもね、悲しい思い出にいつまでもとらわれてたら、楽しい思い出が作れないよ」
「ウソだ!!」
「ウソじゃない。人生辛いこと、悲しいこと、いっぱいいーっぱい、あるけど。それでもあたし達が生きていけるのは、“楽しい”思い出があるからだよ。きっと…」