アイ・マイ上司とlove☆days
だけど、そんな事を考えている場合じゃない!
輝の発言の意味を理解していたから、絶対にヤバイよ・・・
ビクビクの内心とリンクして震える両手に、グッと拳を作っていると。
「言葉の通りだけど…。
何か不都合でもあるのか、“君に”――?」
「っ、い、いえ・・・」
顔を強張らせつつ、声も俄かに震わせている美紀さん。
「それなら休憩も終わるし、話は以上だ」
大好きな人のじつに端的な冷たい声は、有無を言わせる隙が無い。
仕事中の手厳しい輝に、さすがの美紀さんも歯が立たないようだ…。
いつの間にか私は、第三者の立場のように傍観していると。
「斉藤さん、ほら戻って…」
「っ、あ、はい…」
背後から大きな手が伸びて来て、ポンと頭をひとつ撫でられた。
「っ――」
クルッと振り返ると、フッと笑った彼にドキリとさせられただけ。
そんな彼は軽く頷いたあと、踵を返して颯爽と席に戻って行った。
美紀さんには悪いけど、何よりも彼が大切だと思えたの・・・