アイ・マイ上司とlove☆days
課長は給湯室の出入口を塞ぐようにして、こちらの様子を窺ってくる。
「鈴だけ戻らないし、ちょっと気になってさ…」
お昼の件もあって、心配して来てくれたのかな…?
「ごめん、なさい…」
「ハハッ…、珍しくしおらしいじゃん?」
「なっ…!」
すぐにムッとするのは、やっぱりコドモな証拠だけど…。
彼が社内で“鈴”と呼ぶ時は、完全に誰もイナイという状況下の証。
それに優しく笑うから…、私を捉える瞳が優しいから…。
「っ――」
抱きつきたい衝動を抑える為に、視線を逸らして俯いてしまった。
ギュッ――
するとオリエンタルな香りが鼻孔を擽った瞬間、視界は彼のスーツだけで一杯になる。
「鈴は何も変わらないで良い…。
ドジで可愛い部下を守るのは俺の役目!
全力で守るから…、安心してろ」
「…甘やかしすぎ」
モヤモヤを解くのは、やっぱり大好きな人の言葉と温もりで。
凭れるように、眼前の広い胸へと預けて呟けば。
「夜は甘やかすつもりないけど…?」
「…っ、バカ――!」
耳元で囁いてクスクス笑うイタズラな彼に、幸せだけで満たされるの・・・