アイ・マイ上司とlove☆days
映画の進行も私などお構いなしに、どんどんストーリーが進行していく。
そんな堂々巡りに嫌気がさして、手元のクッションを振りかざそうとすれば…。
「はいはい、暴力反対」
彼の大きな手が私の腕をそれぞれ掴み、呆気なく封じられてしまった。
「なによっ、輝が悪いのに…!」
両腕を掴まれて形勢逆転された私は、悔し紛れに眼前の彼を睨み返すと。
「今日はストレスフルだなー」
「っ、誰のせいよ…!
ひ、かるが…教えて、くれない…からっ――!」
不安からくる怒りを簡単に受け流されて、悲しみが押し寄せてくるから。
比例して込み上げる涙が悔しくて、さらにお子様加減が際立ってしまう…。
両腕を取られたままでは、ポロポロ零れる涙も拭えずに・・・
「あー、悪かったって…意地悪しすぎた…。
可愛い顔が台無しだぞ――?」
するとバツが悪そうに話しながら、頬を伝っていく涙を拭われて。
「うっ…、か、わいくナイ…!」
嗚咽を漏らしながら頭を振る私を、ギュッと優しく抱き寄せてくれた。