アイ・マイ上司とlove☆days
ドンドンと音を立ててノックされる度に、小刻みにドアが揺れた…。
あの僅かな中で鍵を閉めて、輝が戻れないようにする素早さが自分にあるとは。
おバカな発想かもしれないけど、人ってホントに不思議だ――…
「コラ鈴、ココ開けろ――!」
「と…、とにかく、あとで出勤するから・・・
ひかる…、おねがい許してぇ…!」
そのドアに崩れ落ちるようにして、私はペタリと玄関に座り込んでしまった。
「お、ねがい…っ…」
「……分かった、今日は先に行くから――」
「っ・・・」
最後まで堪え切れなかった涙に、ドアの向こうの輝も気づいていたハズ。
このマンションは特別な鍵を使用していて、簡単にスペアを作れない。
お邪魔する時にも不便じゃ無かったから、まだ合鍵を貰っていなくて。
ソレが幸いする事があるとは、夢にも思わなかったよ・・・