アイ・マイ上司とlove☆days


昔から私は何をやっても上手く出来ない…もとい、失敗に終わるタイプで。



“鈴が関わるとロクな事にならない”なんて言われる事もザラだった。



自分でも不器用だってよく分かってるけど、これだけは言えないよ…。




“私みたいにならないようにね…”



美紀さんの言葉から汲み取ったのは、選択ミスへの強い後悔だから。



大好きな人と離れなきゃいけない事が、どれほど辛いか伝わってきたから。




無力だとしても、今の私に出来る事はひとつだけ――…



大好きな輝を巻き込んでしまうより、黙っていた方が良いもん・・・





「あ…、行かなきゃ…」


いつまでも子供のように、ポロポロと涙を零してもいられなくて。



崩れたメイクを簡単に直してから、お泊り用と仕事用バックを両腕に掛けると。



輝から預かった鍵を使って、静まり返った彼の部屋をようやく出る事にした。




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