アイ・マイ上司とlove☆days


大平さんにバレてしまったけど…、でも彼は何も言わなかったから。



私はまた“決算”を理由にして、輝との関係を内緒にしていたのだ。



いつかは…なんて思いながらも、やっぱり知られることが怖かったから。




「やだよぉ・・・」


「鈴・・・」


溢れ出るモノが堪え切れなくて、そのままデスクに突っ伏してしまう私。




そう…、実際に知られた現在。ヒシヒシ感じるこの視線と反応がイヤで。




輝が好きなのに、まだまだ私はヒヨッ子だから認めて貰えないもん――…







『退社間際に、突然失礼いたします――』


ザワザワと騒がしい中で身動きも取れずにいると、響き渡ったアナウンス。



その声色に驚いて泣き顔を晒す事も構わず、大好きな人の席を見てみると。



やっぱり…、そこにはいつもオーラが漂う筈の人の姿かたちも無い…。




『この度、私的メールが、全社員皆様の元へ流れました事をお詫び申し上げます。


そして誤解なきよう、この場でお伝えさせて下さい・・・


写真に映る彼女…、もとい経理部の斉藤 鈴さんですが…』


「・・・っ」


少しのノイズとともに流れてくる声色に、ますます不安が押し寄せていく…。




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