アイ・マイ上司とlove☆days
感じたくもない不安と押し寄せる苦しさで、思わず耳を塞いでしまったのに…。
『彼女は部下でありますが…、真剣にお付き合いしている女性です。
突然のメールで驚かせた事に対しては、深く反省しておりますが…。
どうか、これから温かく見守って頂けると幸いです――』
『稲葉は怒ると怖いから、気をつけた方が良いからねー?』
『そうそう、鈴ちゃんに手出したら許さないから!
分かってるわよね、そこに集まってる稲葉ファン…?』
大好きな声のあと、続けざまに聞こえて来たのは美紀さんと渡辺さんの優しさで。
「良かったね、鈴」
「う、うっ・・・」
もう泣きたくて泣いてるのか、嬉しくて泣いてるのか、分からないくらい。
輝から与えて貰った幸せが、ギューっと不安な私を抱きしめてくれているよう。
「ほら、行って来なさいよ…」
いつでも見守ってくれる涼子のひと押しで、私は聞き慣れた靴音を辿って行く。
もうヒシヒシ感じる周りの目も、周りにどう思われているかなんて気にしない。
「鈴…、また泣いたのか?」
「うぅー・・・」
大切なヒトのところへ向かって、そのままギュッと抱きしめて貰いたいもん…。