皮肉と剣と、そして俺
「どうしてだ?ナオトの生きる世界は此処ではないだろう!
言っただろう、感情に流されるなと!!」
「一緒に居たいから!」
一気にまくしたててくるエイダの手を振りほどいて言う。
「俺はエイダと一緒に居たいだけだ。
元の世界なんかの生活より、お前と居る方が何倍も楽しい。
それだけじゃ駄目か?」
一瞬、ナオトたちの周りを静寂が支配した。
ナオトの鼓動が早鐘のように脈打つ。
エイダは胸倉を離すと、その場に座り込んでしまった。
「馬鹿だ。お前は本物の馬鹿だ」
暫くしてからエイダが紡いだ言葉がこれだった。