【気まぐれ短編】真夏の夜のサンタ。
翌朝、目を覚ますと私は何故か携帯電話を手に握っていた。


「…ぁ……」


意識と共に記憶が蘇る。


私は昨日振られたんだ…しかも海に置き去り…。


なんだか悔しくなって携帯のアドレス帳からある名前を探した。



【件名】舞です。



【内容】
昨日は本当にありがとうございました。

やっぱりお礼がしたいので近いうちにお食事行きませんか?

お返事待ってます♪




「送信~」

送信ボタンを押して溜め息をついた。


自分から異性を食事に誘うなんて初めてだ。


相手は勿論、昨日のサンタさん。

暗闇の海から救ってくれた人。


【玉川 翔】


赤外線で送られて来たサンタさんの名前。


世間に疎い私でも知っている名前だった。


私は返事を期待しないで待つことにした。
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