=凪=
「おじいちゃん……」


パコーン。



「いたっ!」



「ほら、どこかに飛んでっちゃうぞ」


仕事を終え、晴れ晴れとした笑顔の菜津子が、そこに立っていた。

「ねぇ、菜津子?私って気持ちが強い?」


「はぁ?あんたは気が強いんでしょ?」


「だよね…」


「だよ♪」


帰るよと、先を歩く親友の後ろ姿を、追い掛けながら空を見上げた。


そして、少ないながらも、輝きを忘れない都会の星達に、頑張るからと呟いた。


あの中に、祖父母の姿があると信じている。



第1章『最期の言葉』
     おわり



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