=凪=
はっきりと思い出せる夢の内容。


しかし、過去の記憶を手繰り寄せても、名前の謎は解けない。


友達にはいない名前に心当たりはない。


でも、あの鼻をポリポリ掻く姿が、やけに印象的だった。


「もしかして…あの癖って………」



「先輩?」



そんな訳ないでしょ……


そう思いながら、少し痛みを感じるようなお尻を摩る。



「さぁ、爽やかな秋晴れだ。今日は何をしようかな?」


何も予定のない休日。

私は、朝陽の差し込む部屋で伸びをした。


これからはじまるであろう、自分の気持ちとの闘いをうっすらと感じながら………。



第7章『大切なもの』おわり



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