=凪=
『 秘 密 』
明日は、X'masEveというイベント前夜に、ナギこと静樹は、クルミの気持ちも知らず、一人静かに溜め息をついた。


暖かな空気に色を変える、部屋の窓をそっと手で拭った。


おむかいの窓にある、ツリーの光りが綺麗だった。


ふと、昔を思い出す。

『プレゼント、静樹は何をお願いするんだい?』


大きな掌が頭を包む。

『たしかあの時、見上げた祖父の顔が、サンタさんに見えたんだよね』


今でもちょっぴり、世界のどこかにいるんじゃないかと思ってる私。


私だけのサンタクロース。


きっとどこかに……。

自分の周りで、何が起こっているのかも知らず、そっとカーテンを閉めた。


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