=凪=
尾沼との待ち合わせ場所に向かいながら、思い出していた。


どうしてもちらつく、過去の痛手を……


あの失恋をしたX'masの夜。


酒をかっくらい、酔い潰れる俺の胸に、いつもからかう後輩の存在があった事を……


いつも独りで、すみのほうにいるあいつ。


からかうと顔を真っ赤にして怒る面白いやつ。


でも誘うと、いつもちゃんとそこにいるんだよなぁ。



まぁ、妹みたいな存在で、別に俺に興味もなかったろうし……



俺も、どうにかなろうなんて気持ちは、これっぽっちもなかったんだけど…



そんなことを思いながら、空を見上げた。


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