=凪=
『――サンタかぁ』


名取、お前は今年のサンタに、どんなプレゼントを、願うのだろうか……



そんな事を考えながら、人込みの中で俺は手を軽くあげ、目の前にいる笑顔の悪友と手を合わせた。



遅かったなと、肩を抱く悪友。


俺の大切な後輩は、とりあえずこいつに預けよう。


「何だよ、にやにやして。途中で可愛い娘でもいたか?」


いたいた!と軽くかわす俺。



尾沼に思いを悟られぬよう、静かに街を振り返った。



『名取のいいサンタになってくれよな』



聖なる夜の、X'masイルミネーションに思いを託して、悪友との一夜を楽しんだ。



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