=凪=
どうして、あんな指示を出したのか、訳もわからず、当日を迎えた。



とびきりの温かいモコモコの服を着て、先輩を待っていた。


時計の針はもうすぐ、約束の10時。



『私、いったいなにやってるんだろ……しかもこんなのまで用意して……』



カバンの中に、そっと忍ばせた小さな包み。


もちろん、気持ちなんかないけど………


街を歩いていたら、お店から漂う、甘い香りを感じて呼ばれるように近付いていた。



そして、飾ってあるピンクのハートを見てたら、ついつい買っていたんだよね。



ついつい………ね。



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