=凪=
♪♪♪♪


軽快に、親友からだと知らせる着信音が響き渡ったのは、連休の初日の正午過ぎだった。


「もっし、も〜しぃ〜」


窓から流れる雲を眺めながら、低めの声で、少しダルそうに電話に出た。


『もしもし、ナギ ?』


あんたは誰にかけてんの ? と思いながらそうだよ、と答えた。


『ねぇ、どうせ暇してるんでしょ?』


彼女の話しは続く。


よく喋る、彼女の話を聞きながらも、何となく頭から抜けない、あの言葉を気にしながら携帯を握りしめていた。


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