=凪=
私は、バイクなんてものに興味がなく、ただただ、呆気に取られていた。



すると突然、ほれ!と自分の上着を脱いで、私に差し出した。


「えっ?」


「俺は平気だから着ろよ。あと、これとこれ」


ぽんぽんと、手袋とヘルメットを渡された。


「あっ、その前に、とりあえず部屋に戻ってマフラーとリュックを用意してこいよ」



狐につままれた気分で、部屋に戻り言われた通りに用意をして再び下に降りた。



渡されたヘルメットは、なかなか入らない。


先輩は笑いながら手伝ってくれた。


そしてHONDAと書かれた、少し大きなバイクの後ろにまたがった。



< 132 / 265 >

この作品をシェア

pagetop