=凪=

そう、確かあの日も、今日みたいにポケッと流れる雲を、見ていたんだっけ。


場所は、この部屋じゃなくて、自宅にある私の部屋。



窓がもう少し大きかったなぁ。


そして、やっぱり携帯が鳴ったんだよね。


相手は思いもよならい、絶対に有り得ない人だったけど…



私は、あの言葉と共に、ゆっくりと静かに記憶を呼び起こしていった。


――そう、あの日の電話は確か……


時間は遡り、大学生の自分がそこに居た。


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