=凪=
『私の気持ちなんて、誰も解ってなんかくれないんだ……』



大きく、溜め息が出る。



外を見ると、窓を叩く、雨粒が次第に大きくなってきている。



遠くから微かに、嵐を告げる音が聞こえた。


『そういえば、菜津子……』




『あの彼……たしか陸(リク)さん、だったかな?その彼と、どんな恋愛をしてるんだろ??』


ぼんやりと、幸せそうな親友の顔を思い浮かべた。



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