=凪=
その幼なじみは、陸と、数人の仲間と共に居酒屋にいた。



ワイワイと呑んでいた二人は、雑談からいつしか、菜津子の話しになっていた。



「菜津子は昔、怖がりで泣き虫だったんだよ」


酔いも、良いように回った尾沼は、熱く語り出した。



「へーぇ、今は強がりだ」


「もっともだな。まぁ昔から、要素はあったけど………」



尾沼も、陸も苦笑で、顔を見合わせた。



「そういえば…あの時……」



酒のグラス片手に、尾沼は遠い目をした。



「なんだよ。美味しい話しでもあるのか?」


陸の期待に、笑いながら話しを続けた。



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