=凪=
「うん♪」



その答えに一瞬、蓮はホッとした。



「わかったから早く捕って。お兄ちゃん♪」


間髪を入れず、そう悪気なく続ける菜津子に、目が点になる蓮。



笑顔の菜津子を見て、少し困った顔をして、頭を掻いた。



「行こ!」



どうすることも出来なくなった蓮は、菜津子の手を引いて、その場を離れた。



「あっちに行ってみよう」



「あっ、お兄ちゃん。待ってよ〜。蝶々行っちゃうよ」



後ろ髪を引かれながら、菜津子は、蓮を追い掛けた。



そして二人は、また追い掛けっこに夢中になって遊んだ………



< 163 / 265 >

この作品をシェア

pagetop