=凪=
二人は走り回り、雨宿り出来る場所を、探した。



そのうちに大粒の雨に混じって、雹(ヒョウ)までも落ちて来た。



そして、二人はようやく近くにあった高架下に、逃げることができた………



「お兄ちゃん・・・怖い……」



怯える菜津子を見て、蓮は愛しく思った。



菜津子もまた、しっかりと肩を抱く蓮を、頼もしく思い身を任せた。




幼いながらも、二人の間には『信頼』の、ふたつの文字がしっかり刻まれていた。



それと同じくして、姫と、そのお付きの関係が、しっかりと決まった瞬間でもあったのだ。



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