=凪=
―――そうしているうちに雨は止み、二人は家族の元へと急いだ。


その途中で、心配して捜しに来ていた母親と会った。



二人は無事に、家族の元へと帰る事ができた。



もちろん、両父親からお叱りを受けたのは、言うまでもない。



しかしその時、菜津子は泣きじゃくり、全てを蓮のせいにしたのだ。



「私は、嫌だって言ったのよ。なのに、お兄ちゃんが大丈夫だって……」



それは、菜津子の我が儘だと誰もが思った。


なのに、泣き虫お姫様を落ち着かせる為、その場は、蓮が厳しく怒られたのだ。



しかし、暗く陰る蓮の顔に反し、その日の虹はとても綺麗だった。


< 171 / 265 >

この作品をシェア

pagetop