=凪=
「なんだよ、それ!!」


陸は、素っ頓狂な声を上げた。



「僕さ、虹を見ると、いまだにあの時の事を思い出すんだよね」



今日の雨は見れなさそうだけどね、と続けた。



「そんな我が儘お姫様と、子供の頃からずっと付き合って来たわけだ」



陸が溜め息と共に、嫉妬の火種を掻き消した。



「まぁね。だから、最期は陸に任せたからな」


苦笑いの陸に、蓮は肩を叩いた。



「そろそろ、お開きにするぞ〜」



誰かがそう言い、会は終わりになっていた。


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