=凪=
「そっかぁ、完全に菜津子とは何もないな……」



歩きながら、そう独り言を呟き、すっかり雨の上がった街を眺めた。



そして、携帯を開き、帰るコールをひとつ。



「あっ、もしもし?俺」



「まだいるんだろ?これから帰るから、身体磨いて待っとけ。今夜は寝かせないからな」


陸の頭上には、丸いお月様が輝いていた。



そして、蓮との懐かしい思い出に浸っていた菜津子はというと……


陸からの電話で、急いでバスルームに向かったのは、言うまでもなかった。



< 174 / 265 >

この作品をシェア

pagetop