=凪=
「お腹いっぱいにはなったけど、ここのご飯の質って、少し落ちたと思わない?」



いつものお店で、ランチを食べた帰り道。


同僚達が品評会をする後ろを、静かに歩いていた。



「あんたさ、この前、柳崎さんと何処に行ったのよ」


そんな中で、菜津子がそっと耳打ちする。



「クルミに、バレたらやばいよ…」



「???」



「まさか?えっ?もちろん、気付いてたでしょ?」



有無を言わさない力がある菜津子の目は、しっかりと私を捕らえている。



私は、急いで首を横に、小刻みに振った。



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