=凪=
「ねぇ、聞いてるの?ナギぃぃ!!!」



私は、何も答えられない。



「だからさぁ、柳崎さんの好みの女ってどんな感じなのぉ?」



『酔っている』


今の彼女に、ぴったりな言葉だ。


「クルミ、飲み過ぎだよ。ナギが、なんて答えていいのか、わからないじゃない」



そんな菜津子の言葉をさえぎり、クルミは私を見据えた。



「ナギ!今日こそ本当の気持ちを聞かせて!!」



その勢いに、はい!と思わず背筋が伸びた。


菜津子は、もうだめだとばかりに、そっぽを向いた。



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