=凪=
「Zzzz・・・」



覚悟を決めるしかないと思ったのに、クルミは、箸を持ったまま寝ていた。



「とにぃ……飲み過ぎだって」



テーブルを片付けて、寝ているかクルミに、上着をかけながら、菜津子は溜め息をついた。



私は、とにかくその場は逃れられたと、力が抜け深く息をはいた。


「でもね、ナギ。私もこのままじゃいけないと思うの。陸も心配してたよ」



『陸』とは菜津子の彼氏だ。



陸さんは、先輩とも尾沼さんとも仲が良い。


つまり、菜津子が全てをお見通しなのも、そこいらへんが絡んでいるのだ。



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