=凪=
「名取は彼氏いるのか?」


先輩の眼が、私を捕らえる。


「えっ?」


『なんなんだ、突然。』


急な質問と、真っ直ぐな視線に、私のドギマギは更に増した。


「まぁな。人間ってやつは、何かと自分本位に出来てるものだからな」


そう言いながら、再びハンドルにもたれる先輩。


『はいぃ?やっぱ苦手だぁ』


その気持ちが、眉間にシワを寄せていた。


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