=凪=
『そうそう、名前はたしか柳崎(ヤナザキ)さんといったかな?』


溜め息と共に、名前を思い出した。


あの時、どうやら彼は、失恋をしていたらしい。


気晴らしの為に、友達に連絡を取りまくっていたらしい。


そして、唯一、捕まったのが、私だったと噂で聞いた。



苦手な相手だったけど、あの一件以来、彼を見る目が少しだけ変わった。


それは多分、気のせいではないはずだ。


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