=凪=
「んん……違うんです」


必死に、首をふるクルミ。



「柳崎さんは、私のチョコとプレゼントをきちんと受け取ってくれたの」



男ならとーぜんだと、陸が頷く。



「でも……受け取ってくれただけだったんです」



クルミは、苦しそうにその時のことを思い出していた。



「えっ?あいつ、その後に食事とか映画とか誘わなかったワケ?」


「はい。じゃって帰って行きました」


真面目顔のクルミ。



「……うそ、だろ?」


陸は、バレンタインの次の日の柳崎を思い出していた。



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