=凪=
『―――あいつ、あの日の朝に眠そうな顔をしてたけど、クルミちゃんが原因じゃなかったんだ・・・・』



「どうしました?」



クルミは、神妙な顔つきの陸を、不思議そうに見つめた。



「いや、なんでもないよ。続けて……」



はい。と小さく返事をしてクルミは再び話し始めた。



「………バレンタインから1ヵ月。


かなり気合いを入れて告白をしたつもりだったから、きっと伝わってると思ってたんです……


でも、私が送るメールの返信はあっても、肝心な話しはなくて……

ホワイトデーも過ぎちゃったある日、やっとゆっくり会ってもらえたんです」



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