=凪=
上の空の陸に気付かず、クルミは続けた。



「………それから二人で、桜がちらほら咲きはじめた公園に行ったんです。


夜桜が綺麗と評判な公園だったので、私がどうしても行きたくて・・・

桜は、まだ蕾も多かったけど、やっぱり綺麗でした。

私、そこで改めて告白をしたんです」


「……」


一気に話したクルミは、一息ついて続けた。


陸は、相変わらず黙って聞いてくれている。


「私、やっぱり柳崎さんが好きです。友達以上の存在には、なれませんか?


そう聞いたんです。


でも………


答えは無くて……」



クルミは少し涙ぐむ。


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