=凪=
『……結婚、かぁ〜〜』



「もぅ、ナギってば聞いてるのぉ?」



ポカッ♪



小気味よい音を立てて、淡い想像の中にいた、私の頭に割り箸が当たる。



「ったいなぁ。聞いてるってばぁ……」



「また、独りの世界に入ってたでしょ?」



正統派美人の菜津子(ナツコ)は、いつもながら強引である。



そして、いつも叩かれるごく普通の私、ナギ。


ハタらから見たら、どんな風に映るんだろ?



多分、なんて凸凹な二人だろうと、思われるよね。



こんなに正反対な、私たちなんだからさ。



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