=凪=
菜津子が帰った後は、しばし、彼女の話題で盛り上がった。



でも、さすがに二人きりになると、なんだか気まずい雰囲気が流れる。



「そろそろ、私達も帰る?」



お酒の飲めない私は、ワインが進むクルミを心配して、そう声をかけた。



「あれから…」



クルミはそういいかけて、伏せていた眼を私に向けた。



「あれから、柳崎さんから連絡はあった?」


「えっ?」



『いつから……?』



覚悟はしてたけどやはり先輩の名前が出た。


クルミの眼は、真剣だ。



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