=凪=
なんて答えていいか解らずに、1度上げた腰をまた椅子に戻した。


「私ね、菜津子の結婚式で、もう一度チャレンジしようかと思ってるの」



クルミの眼は、真剣さを増していた。



「知りたくない?柳崎さんの心のナカ・・」


『知りたいよ!!』



私は、心で叫んだ。



『いつも……いつも煙を巻くように気持ちをごまかす、先輩の心を知りたいよ……』



声にはならない。



『知りたいに決まってるじゃない………怖い、けど・・・』


下唇を噛み、その言葉を膝の拳で握り潰していた。



「ナギ………あなた……」



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